お弁当

眠い…
中学3年になってこんな事ばかり言ってる自分。
中1、2の時は朝練もやっていた…という事も今では本当に自分だったのかさえ疑わしく思える。
ピピピピ…
部屋に昨晩セットした目覚ましのアラームが鳴っている。
嗚呼もう起きなければいけないのか…
分かっていても体は意志とは反し、起き上がろうとしない。
結局、もう一度眠りにつこうとする…
だが、眠れない。それは母の存在があるからだ。
「起きなさいよ〜」
ドアの入り口から幽霊のように、囁いてくる母。
(実際には普通に話しかけている筈だが、寝ぼけているのでよく分からない)
そんな母に渋々起こされ学校に行く―――
そんな生活が三年間続いた。
母が旅行に行った日があった。
その時、僕は遅刻した。母が居る時には出来なかった二度寝して遅刻した。
でも、母が居る時俺は一度も遅刻しなかった。
何故か俺はそれまでそれが当たり前だと思っていた。
でも、卒業が近づいてくるに色んなことを考える機会が訪れ、
このことについても僕は考えた。結論。
母は偉い。何気ない顔をしているが、母は偉いと思う。
母は一度も遅刻をしたことがない。
夜も遅くまで仕事をしているのに、朝早く起きる。
母は決してサボろうとしない。
それどころか、僕より先に起きてお弁当を作っている。
育ち盛りの一男一女のお弁当を作っている。量も多い。
朝御飯も作らなくてはいけない。
しかし、母は決してサボらない。
当たり前のこと…なのかどうなのか分からないが、
母は偉いと思う。

そして今日の朝。
トイレに行きたくなって目が覚めた。
台所からは、卵を焼く音が聞こえてくる。
閉まったドア越しに伝わる慌しさ。
ウム。
たまには感謝するか。
僕は母に心の中で「ありがとう」と小さく呟いた。
そりゃもー車の音にあっという間にかき消されてしまうぐらい、
小さく。

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