俺と雪は、HPで奇跡的な再会を果たした。
俺はHPを運営していた。
雪はたまたま、そのHPが気に入り遊びにきてくれていた。
本当にたまたまだった。
これは、本当に偶然というんだろうか。
偶然というより、運命というんじゃないだろうか。




ただ君に逢いたい




「あの・・・民井さんが好きです・・・」
俺は、小学生の時に雪に告白した。
雪が初恋の人だったのだ。
抑えきれない思いから、ついつい連絡簿を見て電話で告白していた。
「えっと・・・ごめん・・・」
フラれた。この時点で、俺の初恋は終了したかのように見えた。
だが、俺は諦めきれなかった。
「何回もごめん。何で駄目なの?」
最悪だ。何でこんな事訊いたのかよく分からない。
ただ、これでは終われないと思った。
だから、俺はもう一度雪に電話していた。
多分、気を悪くしたのだろう。
「ホント・・・無理なんだよ。ごめん。」
そりゃそうだよな。フラれた奴が数秒後にもっかい電話するなんて前代未聞だよ。
こうして、俺は雪から少し遠のいた。
3ヵ月後、雪は転校した。
当時、小学生だった俺は、何も分からず
ただただ彼女を見送るだけだった。
サヨナラの一言を言えば良かったなぁなんて思いながら。




4年後。
俺が、運営しているHPに一人の女性がやってきた。
それが雪だったのだ。
お互い、雪と分かったもの俺と雪はメールを始めた。
「今日学校でねー。」
「こっちは本当に辛いよー。」
何処のカップルでもしそうなメール。
俺達は、時間が許す限りメールやチャットをやっていた。
でも、カップルじゃなかった。
そう。俺はまだあのフラれた時のことが怖かったのだ。
本当はもう一度告白したい。
でも、次フラれたら完全に雪との接点がなくなる―――
だから、俺は告白しなかった。
が、とある日。




「チャットしよう。」




雪がいつのもように俺を誘ってきた。
俺は何の躊躇なく、お決まりのチャットルームへと向かった。
そこは2人だけのチャットルームで、
他の人が入ってこれない、カップルにはお決まりのチャットルームだった。
・・・カップルじゃないんだけど。
そして、いつのように話していた。
「それでさー」
俺が話そうとしていたときだった。
「あのさぁ、小学校の時のこと覚えてる?」
唐突にきたから吃驚した。
そして、告白の時のことを思い出して、ドキドキしていた。
「うん。覚えてるよ!凄く楽しかったよなぁ。」
そんな事を話すつもりだった。
と、いうか話していた。
でも。
でもいつの間にか
「雪・・・俺まだ雪のことが好きなんだよ。」
って告白してた。俺ってば我慢が出来ない奴なんだな。
「・・・うん。私も。」
一瞬信じられなかった。
と、いうか信じていいものか分からなかった。
雪によると、引越しため、もし付き合ったとしてもすぐ別れてしまうからだとか・・・
そんな事考えなくてもいいのに、って思ったけど雪には雪なりの考え方があるんだろうって
思ったから、俺は何も言わないでいた。
そして、俺は雪と交際を始めた。




いつものように、俺がPcを開いた。
「おっ!きてるきてる!」
雪からのメールが届いていた。
今はこれが日課。
家に帰ってきて、まず最初に雪からのメールを返す。
これが一番の楽しみ。家に帰ってきたなぁって感じする瞬間。
今日の雪のメールはこれだった。
『もうすぐ冬休みだね!こっちはかなり寒いけど・・・そっちはどう?』
・・・同じ日本だからそりゃ寒いよ(笑)
『クリスマスって感じだよね。町並みも。・・・何か寂しいなぁ。」
・・・どうしてだろう。
胸に針が刺さったみたいに痛い。
雪にこんな事言われると思わなかったからだろうか。
本当に・・・胸が痛い。
『じゃぁね!ばいばーい!』
・・・このままでいいんだろうか。
確かに俺と雪の距離は遠い。
だからといって、諦める程、俺は雪のことを愛していない訳じゃない。
ただ君に逢いたいんだ、雪―――




そして、月日は過ぎて、クリスマス。




「拓也元気ー!?今日はクリスマスだねー!」
そんなメールを私は送ろうと思っていた。
が、Pcを開くと既に拓也からのメールがきていた。
「今日のクリスマス・・・サンタさんが現れるでしょう・・・?何だそりゃ。」
確かに拓也は意味の分からない奴だけどここまでだったなんて・・・(汗
私は拓也に返事を返して、学校の宿題を始めた。




「今日はクリスマスですねー。」
テレビでもクリスマスのことが報道されている。
「ここは最高のデートスポット・・・」
パチッ。
テレビの電源を消した。
私だって、拓也とクリスマス過ごしたい。
そう願ったときだった。




ぴんぽーん。




インターホンがなった。
「あ、サンタですけど。」
・・・はぁ?(汗
サンタって・・・誰?
低い男の声。
誰だろう。でも何だか懐かしい。
「サンタって・・・どなたですか?」
「サンタ宅急便ですよ。トナカイも居ます。」
・・・切ろうかな。
「とりあえず、出てきてもらえます?プレゼントあるんで!」
あ、宅急便かなんかのサービスなのかな。期間限定の。
そんな話し聞いたことないけど・・・
がちゃ。
「はい!」
「どーもー!」
やっぱりサンタだ。白いひげをつけて真っ赤な服をきてる。
「ハンコは?」
「・・・あははははははははは!!!」
急にサンタが笑い出した。
こ、この感じ・・・もしかして・・・
「た、拓也・・・?」







寒空の中、やっと雪が出てきた。
「どーもー!」
「ハンコは?」
え?ハンコ?
もしかして、雪、俺のこと宅急便の人と思ってるんかな!?
「あ。あはははははは!!!」
「もしかして・・拓也?」
・・・やっと逢えた。
「雪・・・!」
「拓也ぁ!」
雪が俺に抱きついてきた。
俺も雪を暖かく抱き締めた。
「拓也ぁ!何で!?何で!?」
雪は興奮してるみたい。
・・・可愛いな。
「電車で来て、タクシーで住所の場所行ってくださいって頼んだ!
 遅れてごめんなぁ。」
「そ、そんなぁ!謝らなくても!!!」
「ホントに・・・雪なんだよな。」
「あたしも・・・それ思う。」



お互いそれを確認するため、
俺は雪を再び抱き締めた。



貴方はここ最近、

心から人を抱き締めましたか?

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